[2LP]
サディスティック・ミカ・バンド : サディスティック・ミカ・バンド [100% Pure LP] (7inch付属)
■ Label:
Universal Music (ユニバーサル・ミュージック)
■ Catalog No: PROT-7404/6
グラムの華やかさと日本語の遊び心、ブギの躍動からレゲエの裏拍まで。サディスティック・ミカ・バンド (Sadistic Mika Band)の1973年デビュー作を、45回転2LPの100% Pure LP仕様で復刻。原盤付属7インチも収め、初期の自由な発想をたどる一組。
フォークの先へ踏み出した、五人のデビュー作
1973年5月5日に発表された
サディスティック・ミカ・バンド (Sadistic Mika Band)のファースト・アルバム。
加藤和彦 (Kazuhiko Kato)のギターと歌、
ミカ (Mika)のヴォーカル、
高中正義 (Masayoshi Takanaka)のギター、
小原礼 (Rei Ohara)のベース、
高橋幸宏 (Yukihiro Takahashi)のドラムという五人を軸に、加藤がプロデュースを担いました。のちの各メンバーの活動を知っている方にも、その出発点を一枚の作品として聴き直せる内容です。初作には
今井裕 (Yu Imai)もキーボード/サックスのサポートで参加。正規メンバーとなる次作『黒船』に先立ち、バンドの音の幅を支えています。
出発点のひとつは、英国で加藤が触れたグラム・ロック。
T. Rex (T・レックス)や
David Bowie (デヴィッド・ボウイ)の音楽と装いは、フォークから新しいバンドへ踏み出す刺激になりました。録音を担当したディレクターの
新田和長 (Kazunaga Nitta)も、当時T. Rexの音を意識していたことを語っています。英国では
Harvest (ハーヴェスト)から発売された本作を経て、次作『黒船』では
Chris Thomas (クリス・トーマス)がプロデュースを担当。1975年には
Roxy Music (ロキシー・ミュージック)の英国ツアーにも同行します。本作は、その後の展開の土台になった初期の音楽観を記録しています。
ブギとグラム、日本語で遊ぶロック
幕を開ける「ダンス・ハ・スンダ」は、曲名からも伝わる言葉遊びとダンスの気分を結び付けた一曲。多くの曲で作詞を手がける
松山猛 (Takeshi Matsuyama)と加藤の組み合わせを入口に、カラフルで踊れるブギ/ロックンロールの世界が広がります。ロックを日本語で歌うことを、堅い主張だけでなく、遊び心と身体の動きへつなげたところに本作の面白さがあります。
続く「快傑シルヴァー・チャイルド」は、ミカの作詞と高中の作曲による楽曲。加藤を制作の中心に置きながら、ほかのメンバーの発想も作品の前面へ出していることが分かります。「ダンス・ハ・スンダ」と並べて聴けば、グラムの華やかさ、ロックンロールの勢い、日本語の響きを使った表現が、ひとつの作風に閉じず共存していることをつかみやすい二曲です。初期の高中の曲を書く側面を知るうえでも押さえておきたい選曲。
「快傑シルヴァー・チャイルド」は、和モノのドラムブレイクという視点からも聴きたい一曲。
The Alchemist (アルケミスト)がプロデュースした
Fashawn (ファショーン)の2014年の楽曲「Professor F」では、本曲のドラムをサンプリング。ロックの楽曲としての魅力に加え、後年のヒップホップを支えるリズム素材としても聴き継がれた例です。
この関係を知ると、歌やギターとともに、曲を動かすドラムへも耳を向けたくなります。バンドの演奏と、ヒップホップで使われるブレイクという二つの視点から、同じ曲の聴きどころが広がります。日本語ロックやグラム・ロックの歴史から聴き進める方にも、サンプリングを入口に和モノを探す方にも、初期ミカ・バンドのリズムへ立ち返るきっかけになる楽曲です。
「恋のミルキー・ウェイ」で触れるレゲエの裏拍
「恋のミルキー・ウェイ」は、本作の音楽的な広がりを伝えるもう一曲。レゲエのリズムを取り入れたアプローチに、松山の日本語の詞が重なります。アルバムのブギやロックンロールとは違う裏拍の感覚を通じて、英国のグラムだけに収まらないバンドの関心が見えてきます。日本のレゲエへの接近をたどる際にも、1973年の作品にこの曲が含まれていることは興味深い接点です。
この曲を入口に日本のレゲエへ視野を広げたい方は、music incの
「ラヴァーズ・ロックと和レゲエの歴史」もあわせてご覧ください。曲の背景を起点に、後の音楽へ聴き進めるための読み物です。
宇宙のイメージと、小さな物語が並ぶ全十曲
二曲の勢いと「恋のミルキー・ウェイ」のリズムだけでは、アルバムの全体像は語り切れません。「宇宙時計」「空の果てに腰かけて」「銀河列車」は、題名に宇宙や旅のイメージを置き、「シトロン・ガール: 金牛座流星群に歌いつがれた恋歌」では星座と恋歌を結び付けます。「影絵小屋」「アリエヌ共和国」も含め、日常の言葉から少し離れた題名の連なりは、松山と加藤が描く作品世界への入口。曲を単独で聴くだけでなく、この順序でたどる楽しさがあります。
本編を閉じる「ピクニック・ブギ」は、松山の詞と高橋の曲による楽曲。高中の「快傑シルヴァー・チャイルド」に加え、高橋の作曲も含まれることで、五人それぞれの活動へつながる創作の芽が見えてきます。踊れるロックを軸に、レゲエのリズムや空想的な曲名までを収めた全十曲。グラム・ロックや日本語ロックの歴史から、メンバーの初期作品を聴き進めたい方まで、複数の入口があるデビュー作です。
45回転二枚組と、オリジナル付属七インチの復刻
今回の100% Pure LP仕様は、本編を45回転の二枚組へ収めた再発盤。オリジナル・アナログ・テープを2023年に192kHz/24bitで転送したファイル由来の最新WAVマスターを採用し、無着色ヴァージン・ヴィニールの180g重量盤をメタルマスターからプレスしています。着色剤を加えない素材と、通常の製造工程からメタルマザーとスタンパーを省いてメタルマスターから直接プレスする方式を採用。33 1/3回転の一枚組から45回転の二枚組へ分け、各面の収録時間に余裕を持たせた設計です。1,000枚限定のシリアル番号入りで、見開きコーティング・ジャケット、軟質ビニール外袋、歌詞・解説を備えます。
さらに、オリジナルLPに付属した七インチを復刻。「レコーディング・データ」と「サイクリング・ブギ」を収め、本編とは別の付属盤として初期の資料性も伝えます。この七インチも無着色盤ですが、180g重量盤およびメタルマスター・プレス仕様の対象は本編二枚のLPです。最初のアルバムを聴く楽しさと、原盤の付属内容に触れる楽しさを一組で味わえる再発です。
Personnel
加藤和彦 (Kazuhiko Kato) - Guitar, Vocals, Producer
ミカ (Mika) - Vocals
高中正義 (Masayoshi Takanaka) - Guitar
小原礼 (Rei Ohara) - Bass
高橋幸宏 (Yukihiro Takahashi) - Drums
今井裕 (Yu Imai) - Keyboards, Saxophone (Support)
Track List
2LP
A1 - ダンス・ハ・スンダ
A2 - 快傑シルヴァー・チャイルド
A3 - 宇宙時計
B1 - シトロン・ガール: 金牛座流星群に歌いつがれた恋歌
B2 - 影絵小屋
C1 - 空の果てに腰かけて
C2 - 銀河列車
D1 - アリエヌ共和国
D2 - 恋のミルキー・ウェイ
D3 - ピクニック・ブギ
付属7inch
A1 - レコーディング・データ
B1 - サイクリング・ブギ
試聴 (Listen)
試聴は配信版です。本編10曲に加え「サイクリング・ブギ」を収録していますが、付属7インチの「レコーディング・データ」は含まれません。「サイクリング・ブギ」は付属7インチ収録版との同一性を確認できていません。
■商品詳細
・Artist -
サディスティック・ミカ・バンド (Sadistic Mika Band)
・Title - サディスティック・ミカ・バンド
・Label -
Universal Music (ユニバーサル・ミュージック)
・Catalog No - PROT-7404/6
・Country - JAPAN (日本)
・Year - 2026
・Release Date - 2026年7月29日
・Original Release - 1973年5月5日
・Format - 2LP + 7inch (アナログ盤 / 総3枚 / 本編2LPは45rpm・180g重量盤)
・Edition - 100% Pure LP / 1,000枚限定 / シリアル番号入り
・Color - Uncolored Virgin Vinyl (無着色ヴァージン・ヴィニール / 付属7inchも無着色)
・Packaging - 見開きコーティング・ジャケット / 軟質ビニール外袋 / 歌詞・解説付き
・Genre - Japanese Rock / Glam Rock / Rock & Roll / Boogie (日本のロック / グラム・ロック / ロックンロール / ブギ)
・Barcode / JAN - 4988031859827