MAYONAKA Records/HR7S234 / 2022
荒井由実「やさしさに包まれたなら」をフィメール・レゲエ・シンガー、キミーゴ a.k.a qimygoがカヴァー。
これまで細野晴臣「恋は桃色」や井上陽水「コーヒー・ルンバ」など数々の名曲をカバーしてきた彼女。 今回は、1974年にリリースされてから今まで、幅広い世代から親しまれる荒井由実の「やさしさに包まれたなら」を新たなアプローチでカヴァー! A面の「やさしさに包まれたなら」は、ナイジェリアのWizkidやBurna Boy、Remaなど世界中の音楽シーンに旋風を巻き起こしているAfrobeatsを意識し、Reggaetonにも似たアフリカンビートに、透明感のあるキミーゴの歌声をフィーチャー。
時折入るナチュラルなギターの音色が荒井由実の当時のバックバンド、キャラメル・ママの醸しだす温かみを思い出させつつも、洗練されたスネアの刻みや合間のリバーブの余韻が気持ち良く、これからの暖かくなる季節、屋外で聴いても間違いなく盛り上がるダンスナンバーに仕上げられています。
LITTLE TEMPOの大石幸司をはじめとするMAYONAKA bandのミュージシャンたちが奏でる、軽快なビートで揺れるのが心地よい1曲となっています。 AA面のオリジナル曲"Diggin' on You"、タイトルは言わずもがな…のあのR&Bアーティストの曲をリスペクトし、サウンド面ではprotoje、Chronixxなど現行のReggaeに影響を受けつつも、キャッチーで耳に残るサビが印象的なオリジナルチューン。
90年代初頭のACE OF BASEのようなPOPなシンセアレンジが効いたバックビートに、切ない歌詞をのせて歌い上げた楽曲は、レゲエだけでなく歌謡曲のようなポップスとも相性がよく、一度聴いたら思わず口ずさんでしまう覚えやすいメロディが特徴的。
A面の「やさしさに包まれたなら」とは異なるアプローチで生バンドならではの良さが出ており、ソリッドで歪んだギター、エモーショナルなボーカルと、それをささえる力強いドラム&ベースというシンプルな編成だからこそ、それぞれの音の存在感が強く印象に残ります。 特にラストのギターソロはスティービーワンダーのプロデュース作品としても有名なミニーリパートンの1974年のアルバム"Perfect Angel"の収録曲"Reasons"を彷彿とさせるようなソウルフルな音色で、これぞ正にバンドサウンドといった1曲。
A面、AA面ともにBim One Productionのe-mura氏によるvinyl用エディットで、出音にもこだわり、大音量で聴いても自宅スピーカーで聴いても居心地の良い音質となっています。 ジャケット・デザインはOTANIJUN.氏が担当しています。(k)
-Track List-
SIDE A 1. やさしさに包まれたなら
SIDE B 1. Diggin' on You