Alicia Keys : Songs In A Minor [Orange Marble Vinyl] (LP)

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[2LP] Alicia Keys : Songs In A Minor [Orange Marble Vinyl]
■ Label: RCA / Legacy (RCA / レガシー)
■ Catalog No: 1995845686-1


クラシック・ピアノの構築美、ゴスペルの熱、ニューヨークのヒップホップ感覚を、ひとりの20歳の声と指先がひとつにした。全米初登場1位、グラミー賞5部門受賞、そして後に米国議会図書館の全米録音資料登録簿へ選出されたAlicia Keysの歴史的デビュー作『Songs In A Minor』。時代を変えた「Fallin'」を含むオリジナル全16曲に、アルバム制作期のボーナストラック2曲を加えた25周年記念盤が、オレンジ・マーブル・ヴァイナル2LP/豪華ゲートフォールド仕様で登場。


2001年、デジタル化されたビートと精密なヴォーカル・プロダクションがR&Bの主流を形作るなか、グランドピアノの前に座り、自ら書き、弾き、歌い、プロデュースする若きアーティストが現れました。

マンハッタンのヘルズ・キッチンで育ったAlicia Keys(アリシア・キーズ)です。

幼少期から学んだクラシック・ピアノ、ゴスペルとヴィンテージ・ソウルの情感、ニューヨークのストリートから吸収したヒップホップのリズム。その異なる言語を借り物として並べるのではなく、自身の作曲と演奏の中でひとつの音楽へ変えたデビュー・アルバムが『Songs In A Minor』でした。

ピアノを弾くR&Bシンガーというだけではありません。

鍵盤、歌、作詞、作曲、編曲、プログラミング、プロデュースを自分の表現として結び、古い音楽の権威と現代のストリート感覚を同じ場所で鳴らす。その姿は、2000年代におけるシンガーソングライターの新しい原型となりました。

才能を商品化させず、自分の音楽を守ったデビューまでの道


Alicia Keysは10代半ばでColumbia Recordsと契約しましたが、レーベルが描く方向性と、自らのピアノと作曲を中心に据えたい本人のヴィジョンは一致しませんでした。

完成されたトラックへ歌を乗せるだけの新人ではなく、音楽の設計そのものを担うアーティストであること。その主導権を守るために彼女はColumbiaを離れ、Kerry “Krucial” Brothers(ケリー・“クルーシャル”・ブラザーズ)と制作を進めます。

転機となったのが、Arista Recordsを離れてJ Recordsを設立したClive Davis(クライヴ・デイヴィス)との出会いでした。Davisは彼女の演奏力だけでなく、作家、アレンジャー、プロデューサーとしての総合的な才能を評価し、その音楽的主体性を支えます。

こうして完成した『Songs In A Minor』は、妥協によって市場へ適応したアルバムではありません。

自分の音楽を自分で決める権利を守った結果、その強い個性のほうが市場を動かした作品です。

「Piano & I」──月光ソナタからヒップホップへ


冒頭の「Piano & I」は、アルバム全体の宣言として機能します。

ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第14番」、通称「月光ソナタ」を想起させる厳かな鍵盤から始まり、やがて重量のあるドラムと低音が入り込む。クラシックからヒップホップへ場面が切り替わるのではなく、両者が最初から同じ身体の中にあったかのように接続されます。

技巧を誇示するためのクラシック引用ではありません。規律と緊張を持つピアノが、プログラムされたビートとぶつかり合うことで、Alicia Keysというアーティストが生きてきた二つの世界を提示しています。

アルバム名は『Songs In A Minor』ですが、全編が文字どおりイ短調で書かれているわけではありません。“A”はAlicia自身を想起させ、“Minor”は若さや影、哀感を含む言葉としても響きます。題名そのものが、クラシックの語彙と個人的なアイデンティティを重ねた象徴になっています。

「Fallin'」──愛の矛盾を、ゴスペルの高揚へ変えた代表曲


本作の中心にある「Fallin'」は、Alicia Keysが作詞、作曲、プロデュースを手がけたデビュー・シングルです。

愛しているのに傷つき、離れたいのに戻ってしまう。相反する感情を、揺れるような6/8拍子、反復されるピアノ、厚みを増していくコーラスによって描きます。小さな告白から始まった歌が、終盤には教会の礼拝にも似た集団的な高揚へ達していく構成です。

若い歌手が大人びた歌を歌っているのではありません。恋愛が歓びと痛みを同時に運ぶという矛盾を、少し掠れたアルト、強く踏み込むピアノ、Miri Ben-Ari(ミリ・ベンアリ)のヴァイオリン、ゴスペル由来のコーラスによって身体的な感覚へ変えています。

ミュージック・ビデオでは、服役中の恋人を訪ねる女性と、収監された女性たちの姿が描かれました。私的なラヴソングを、愛情、選択、責任、自由をめぐる物語へ広げた映像です。

「Fallin'」は全米Billboard Hot 100で1位を記録。2002年の第44回グラミー賞ではSong Of The Year、Best R&B Song、Best Female R&B Vocal Performanceを受賞し、アルバムのBest R&B Album、Alicia KeysのBest New Artistと合わせて一夜で5部門を獲得しました。



「How Come You Don't Call Me」──Princeの原曲と対話するピアノ・ソウル


「How Come You Don't Call Me」は、Prince(プリンス)が「1999」のB面として発表した「How Come U Don't Call Me Anymore?」を取り上げたカヴァーです。

原曲が持つ剥き出しのピアノ、ブルース、官能性を尊重しながら、Alicia Keysは低く抑えた声から切実なアドリブへ上昇し、自分自身の失恋の歌として再構築しました。

カヴァーの許諾を求めた彼女はPrinceからPaisley Parkへ招かれ、演奏を披露した後にレコーディングの承諾を得ます。古典的な作曲家の作品を譜面から学んできたピアニストが、同時代の革新的な作家であるPrinceの楽曲とも演奏を通じて対話した、Alicia Keysらしいエピソードです。

この曲と「Fallin'」のミックスを担当したのが、Russ Elevado(ラス・エレバド)。D'Angelo『Voodoo』をはじめ、アナログ的な密度と生演奏の空気を重視する仕事で知られるエンジニアです。

「How Come You Don't Call Me」では、ピアノの打鍵、声の息遣い、部屋の響きが近い距離で感じられます。「Fallin'」ではドラム、ヴァイオリン、コーラスを厚くまとめながら、ヴォーカルの感情が埋もれない立体的な音像を作りました。



「A Woman's Worth」──尊厳を穏やかな強さで語る


Alicia KeysとErika Rose(エリカ・ローズ)が書いた「A Woman's Worth」は、女性の価値を外見や都合の良さで測るのではなく、互いへの敬意と行動によって関係を築くことを歌います。

声を荒らげて相手を糾弾するのではなく、ジャズとゴスペルのニュアンスを持つピアノ、ゆったりとしたリズム、確信に満ちた歌によって、自分の価値を知る人間の落ち着きを表現しています。

「Fallin'」が愛の中で揺れる心を描いた歌なら、「A Woman's Worth」は、その関係の中で失ってはならない尊厳を示す歌です。脆さと強さを別々の人物像に分けず、同じ女性の内側に存在する感情として並べたことが、本作の人物描写を豊かにしています。



一人の才能を中心に、多彩な音楽家を結んだプロダクション


『Songs In A Minor』の大部分を支えているのは、Alicia Keys自身とKerry “Krucial” Brothersによる制作です。

ピアノとヴォーカルを中心に据えながら、ドラム・プログラミング、ストリングス、ゴスペル・コーラス、ジャズのハーモニー、ヒップホップのサンプリング感覚を曲ごとに組み替えています。そのため音楽的要素は多彩でありながら、アルバムの中心が揺れません。

Jermaine Dupri(ジャーメイン・デュプリ)が関わった「Girlfriend」では、Ol' Dirty Bastard「Brooklyn Zoo」の要素を取り込み、嫉妬をテーマにした歌を硬質なニューヨーク感覚と弾むR&Bへ変換。「Jane Doe」にはKandi Burruss(カンディ・バラス)が参加し、Brian McKnight(ブライアン・マックナイト)は「Goodbye」や「Never Felt This Way (Interlude)」を通じて、アルバム後半のバラード感覚に深みを加えています。

「Rock wit U」では、Isaac Hayes(アイザック・ヘイズ)がストリングス・アレンジに力を貸しました。華麗な弦、フルート、コンガを伴う映画的なソウル・アレンジは、楽曲が先に収録された映画『Shaft』の世界とも結びつきます。

一方、「The Life」「Butterflyz」などには10代から書きためた作曲の核が残されています。早熟さを示す資料であると同時に、完成された技巧だけでは消せない若さ、不安、切実さがアルバムに独特の緊張を与えています。

ヒット作を超え、音楽史に保存される作品へ


『Songs In A Minor』はBillboard 200で初登場1位を獲得し、世界で1,200万枚を超える成功を収めました。

しかし、この作品の価値は売上や受賞歴だけではありません。

クラシックの訓練を受けた演奏家、ヒップホップ世代のニューヨーカー、ソウルフルな歌手、自分の作品を統括するプロデューサー。そのすべてを一人の女性が同時に担い、どれか一つへ単純化されることを拒んだ点に、本作の歴史的な意味があります。

デジタル化が進む時代に、生身の演奏と過去の音楽語法を懐古趣味としてではなく、現代のポップ・ミュージックを更新する力として提示したこと。それはネオ・ソウルの隆盛だけでなく、演奏、作曲、セルフ・プロデュースを前面に出す次世代のR&B/ポップ・アーティストにも大きな道を開きました。

2022年、『Songs In A Minor』は文化的、歴史的、美学的に重要な録音として、米国議会図書館のNational Recording Registry(全米録音資料登録簿)に選出されました。

流行したアルバムから、国家的に保存される音楽史の記録へ。

その評価の変化こそ、本作が四半世紀を経ても聴き継がれる理由を物語っています。

未発表セッション2曲を加えた25周年記念オレンジ・マーブル盤


本25周年記念盤は、オリジナル・アルバム全16曲に、制作当時のセッションから「Foolish Heart」と「Crazy (Mi Corazon)」を追加した全18曲を2LPへ収録。

この2曲は後年の周年企画で公開された音源ですが、今回の25周年2LPではアルバム本編と同じ4面構成の中に収められ、作品が生まれた時期の創作をひと続きのアナログ体験として辿ることができます。

盤は半透明の深いオレンジにマーブル模様が広がるOrange Marbled Vinyl。ジャケットは見開きのLuxe Gatefold Packageを採用しています。クラシック・ピアノの格調、ニューヨークのアースカラー、若きAlicia Keysの存在感を、視覚的にもコレクションできる仕様です。

「Fallin'」という巨大なヒットだけでなく、インタールード、ファンク、ヒップホップ、静かなバラードを含む全体の流れに向き合うこと。ピアノの余韻、低く太い声、ドラムとストリングスの重なりを、片面ごとに章を変えながら聴くこと。

『Songs In A Minor』を2001年の思い出としてではなく、現在も未来へ受け渡されていく作品として所有するための25周年記念盤です。



Track List


A1 - Piano & I
A2 - Girlfriend
A3 - How Come You Don't Call Me
A4 - Fallin'
A5 - Troubles
B1 - Rock wit U
B2 - A Woman's Worth
B3 - Jane Doe
B4 - Goodbye
C1 - The Life
C2 - Mr. Man duet with Jimmy Cozier
C3 - Never Felt This Way (Interlude)
C4 - Butterflyz
D1 - Why Do I Feel so Sad
D2 - Caged Bird
D3 - Lovin U
D4 - Foolish Heart (Bonus Track)
D5 - Crazy (Mi Corazon) (Bonus Track)


試聴 (Listen)






■商品詳細


・Artist - Alicia Keys (アリシア・キーズ)
・Title - Songs In A Minor [Orange Marble Vinyl] (ソングス・イン・A・マイナー)
・Edition - 25th Anniversary Edition (25周年記念盤)
・Label - RCA / Legacy (RCA / レガシー)
・Original Label - J Records
・Catalog No - 1995845686-1
・Country - Import
・Original Release - 2001
・Reissue Year - 2026
・Release Date - 2026年6月26日
・Format - 2LP / Orange Marbled Vinyl / Gatefold Jacket (オレンジ・マーブル・ヴァイナル / 見開きジャケット)
・Genre - R&B / Neo Soul / Soul / Hip Hop (R&B / ネオソウル / ソウル / ヒップホップ)
・Producer - Alicia Keys, Kerry “Krucial” Brothers, Jermaine Dupri, Kandi Burruss, Brian McKnight and more
・Mixing Engineer - Russ Elevado, Gerry Brown, Manny Marroquin, Phil Tan and more
・Bonus Tracks - Foolish Heart / Crazy (Mi Corazon)
・Barcode / JAN - 0199584568614

6,600円(税込)

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