year/2011
country/Japan
label/11154
King Of Digginこと
MURO氏による、ジャンル無関係のドラムブレイク満載なファンキー・ミックス!!
「ドーナツ盤に愛をこめて」
大口径の45=ドーナツ盤、それは大いなるロマンの塊。
レコード文化でも世界に誇れる日本のドーナツ盤は、ぺライチ(主に)のジャケのお陰で眼にも嬉しい蒐集物として楽しませてくれますが、ジュークボックスの肥やしだった元々の7インチ盤はジャケなしが当たり前、でした。
そのレーベルが唯一の情報だったりして、後は聴き手の判断にお任せ。
もちろんMTVなんてない時代からそれはあったわけで、一体どんなアーティストなんだろう?白人?黒人?それとも・・・なんて過去に想いを馳せながら針を上げる、そんな行為をどれだけの人が行ってきたことか。
ブランニュー・へヴィーズやブレイケストラ、それからイエスタデイズ・ニュークインテッドなど、その辺りのコレクター心理を突いた「時空を超えた音楽」で登場し、わくわくさせてくれたものです。
僕の場合、7インチは「どうしても好きな曲なので、アルバム・ヴァージョンに飽き足らずシングルまで」というパターンと、「まったく知らないジャンルを掘るキッカケ」というパターンの両極端な攻め方で接してきたモノです。
何せ戦隊ものやアニメのソノシートから入ってるだけに、あのサイズ感が好きでアルバム〜US盤12インチという33回転が基本だったDJの現場でも、UK盤12インチや7インチの45回転を使うことも苦じゃなかったくらいで(ビズ・マーキーが厚紙を張って12インチ・サイズにしてコスってた時代もあった・・・)。
その意味でもずっと45好きだった、と。あのシャーッというノイズを含めてなんですが。
何の情報もない「素そのものの盤」の中には数十枚レベルのテスト・プレス盤とかもあると思うのですが、とにかくヒット曲を出さなきゃ次も、そしてアルバムもない、という状況の中でやはり消えざるを得なかったアーティストたちも一杯いたわけで。
コンちゃん(DL)も言ってた「レアグルーヴは敗者復活戦」という名言が見事に当てはまる例も沢山あります。
このシリーズは、僕が掘り起こしたものだけで構成したミックスで、そこにはあえてジャンル的な括りを設けないようにしています。
特に今回はそんなまとめ方かな、と。
ルールは「ブレイクビーツ」それのみです。
ソウルでもファンクでもジャズ、ラテンでも、ハードロック、メタルでも、洋物でも和モノでも、ドラム・ブレイクというキーワ−ドで全てを自分なりに繋げて、違う何かを生み出すことが出来る。
それは元盤のレア度とは関係ないことなんです。まだ、たまに「MUROは値高いレコードしか紹介しない」と言われることがあるんですけど、探せば数百円で買えるものだったり、それこそ入手し易い日本盤を薦めることの方が圧倒的に多いと思います(ただ、紹介すると値を上げられるので・・・そこはやめて欲しいですが)。
高いレコードはその時点で有名なわけですから。
このシリーズにも「全曲アナログで集めたら外車が・・・」なんてゲスい売り文句は絶対に使いたくなくて(こういう話は、そもそも表に出すもんじゃないです!)、言ってみれば他のDJが紹介してないものを中心にしているだけ、なんです。
もちろん、被りが絶対にない!とは言い切れませんが「同じ使い方や流れ」はないと思います。
今回、「開けゴマ」というサブ・タイトルを付けたのも、クール&ザ・ギャングじゃないですが、「パーフェクトビートを探し続ける/それを消化してモノにする」というヒップホップ・カルチャーから学んだパッチワーク感覚という初心を2011年の今、あらためて唱えてみる必要性を感じたからなんです。
そこにある果てしないロマンを共に味わってみてください。
『ドーナツ盤ジャケット美術館』館長 MUROより
sub category - Drum Break - MIX-CD