year/2010
country/Japan
label/Grunt Style
Wax Poetics Japanの第13号。
Curtis Mayfield、Ralph Bakshiの他、Iceberg Slim、Spike Lee、Overton Lloyd、Santa Inoue、Creed Taylor、Billy Wooten、Masa Sextet、Onaje Allen Gumbs、Low End Theory、SOFT meets PAN、There Was A Time、DOOBEEIS、Yamaan、cro-magnon、AISHA、12inch Laboratory、ヴァイナル駅伝、Funk Archaeologyなど多数の濃厚な記事を掲載。
-以下卸元より-
Curtis Mayfield
1970年代、ニューヨークのストリートはお世辞にも綺麗とは言えなかった。ゴミが散乱し、ヘロイン中毒者が数多く流入。そのうちの多くが、心身の傷ついたベトナム帰還兵だった。これが劣悪化した社会の1つの象徴となったのである。当時のニューヨークはビッグアップルならぬ、腐りかけのリンゴだった。そんな時代、ブラックスプロイテーション『Super Fly』の大ヒットにより大きな名声を残したカーティス・メイフィールド。今号では、15ページにも及ぶ彼の人生を大特集する。
Ralph Bakshi
『Fritz the Cat』や『American Pop』などのクリエイターであるラルフ・バクシは、ニューメキシコの山頂に座っていた。登頂するのに時間はかかったが、この一匹狼の画家、アニメーター、監督は、これまでの自分の人生と仕事を振り返って満足感に浸っていた。ブルックリンのストリートで育ち、厳しいハリウッド業界を生き抜いた彼は、年齢を重ねた穏やかさとアメリカ西部の美しい青空を手に入れながら、今も熱心に創造し続けている。
Iceberg Slim
数多くのラッパーから崇拝されているアイスバーグ・スリム。本名ロバート・ベックが小説『Pimp』を書き始めたのは1965年、47歳のときだ。『Pimp』はベックのかつての稼業を描いた作品である。しかし、80年代になると彼は人前に姿を見せなくなる。もともとゲットーでは伝説的な存在になっていたが、姿を消してからはさらに事実よりも神話が1人歩きするようになった。ロバート・ベックとはどのような人物だったのか? ワックス・ポエティックスは彼の人生を深く掘り下げる事に成功した。
Spike Lee
脚本家、監督、プロデューサー、作家として20年以上のキャリアを誇るスパイク・リーは、常に大衆のために作品を作ってきた。頻繁にブルックリンを映画の舞台に用いてきた彼は、ハリウッドから排除された人、またはハリウッドの歯車に縛られた人々に力を与えることに努めてきた。1986年発表の『She's Gotta Have It』はブラック・シネマのニューウェーブの到来を告げる重要な作品となり、彼は今も続く人種紛争における先制攻撃を打ち出したのだ。
Overton Lloyd
ファンクの総帥ジョージ・クリントンが創造した伝説のファンク・グループ、パーラメント、ファンカデリック。このPファンクとカテゴライズされるアーティスト達のアートワークを手がけてきたのが奇才、オヴァートン・ロイドだ。代表的な作品ではパーラメント『Motor Booty Affair』のアルバム・カヴァー・デザイン、79年のパーラメント『Gloryhallastoopid』、ブーツィー・コリンズ『This Boot Is Made for Fonk-N』などのジャケットを手がけている。
Santa Inoue
ブラック・カルチャーの要素を存分に取り入れた『TOKYO TRIBE 2』というコミックがヒットし、アニメ化もされた。同シリーズは現在『TOKYO TRIBE 3』を連載中だが、そこでは東京と横浜のギャング・チームの対立が描かれている。かつてウェストコーストにおけるギャングの抗争を思わせる。そんな作品を描いている漫画家・井上三太は、ブラック・ミュージック、ヒップホップ、そしてブラック・ムーヴィーにも造詣が深い。井上氏にワックス・ポエティックスはインタビューを試みた。